過去のブログ記事まとめ
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社会活動への取り組み -細胞検査士会―
?2012年1月11日 (水)
細胞検査士会渉外委員長の青木潤(呉共済病院)です。
細胞検査士会では2009年より子宮頸がん検診啓発の社会活動をしているので、その経緯を含めてご紹介させていただきます。
細胞検査士の仕事として、子宮頸がん検診は大きなウエイトを占めています。検査を行っていると1990年代後半頃から、20~30代の若い女性に初期のがんや前がん病変が、増加してきていることが我々の中で話題になっており、ウィルス感染が子宮頸がんと関係があることが判っていましたが、日本ではほとんど知られていませんでした。そして、日本の子宮頸がん検診受診率20%たらずと低く、若い女性はほとんど検診を受けていないのが実状でした。
出 産前の若い女性が子宮を失うということは、言葉で言い表せないほどの苦しみであることは容易に想像できます。検診を受けていたら子宮を残すことができるの に、我々はただ黙々と細胞を見ているだけでいいのかという思いを強くしていました。しかし、細胞検査士はがんの検査(細胞診)を専門に行う臨床検査技師 で、普段は病理医、臨床医との関わりの中で仕事をしているため、仕事として患者さんや一般の方に接することがありません。
1998年に細胞検査士の高山須実子さんが、子宮頸がん検診啓発Webサイト「お庭のこっこ」を作成され、一般の方に向けて情報の発信を開始されました。これが、最初の細胞検査士の継続的な社会活動と言えます。高山さんはこのホームページを作成されたことが契機となり、NPO法人子宮頸がんを考える市民の会の理事(現 副理事長)に就任されました。2008年に、NPOが4月9日を「子宮の日」と記念日登録をして、子宮を大切に考える啓発活動(Love49プロジェクト)を計画されていたので細胞検査士会もこの企画に参加することにしました。
NPOは資金集め、啓発グッズの作製、東京でのイベントを担当し、細胞検査士会は全国の支部会員を動員し街頭活動(啓発冊子の配布)を担当、4月9日を中心に活動することにしました。最初の2009年は17支部、2010年は28支部、2011年は30支部(参加表明は34支部、東日本大震災被災地4支部が活動断念)と活動の輪が広がっています。
今まで街頭活動の経験がなく、最初の年はいろいろ大変でした。街頭活動をするには最寄りの警察署に道路使用許可を申請しなくてはならず、手数料が1ヶ所につき2,000~2,500円かかり、このようなボランティア活動もタダではできません。また、単なるチラシ配りと言えども、なかなか受け取ってもらえず慣れないと苦労します。チラシ配りのコツなどをまとめた文書も用意しました。
がん検診受診率50%の 目標を厚労省が唱えているので、地元の都道府県や市町村のがん検診担当部署との連携を図るように各支部にお願いしました。また、街頭活動を報道してもらう ことで、啓発冊子に書いてある内容が配布数よりはるかに多く伝わるので、放送局や新聞社に取材要請をすることもお願いしました。
その甲斐があって、2011年の活動から厚労省後援事業にしていただくことができ、また毎年NHKの 全国ニュースなど、各地の放送局、新聞社がこの活動を報道してくれました。そして、自治体職員、報道機関に方々に接することで、各地でこれらの方々と繋が りができていることも大きな収穫と言えます。さらに、自治体のがん検診に関係する協議会のメンバーに細胞検査士として加わることができたり、自治体のがん 検診啓発活動に細胞検査士会が協力を求められたという報告も受けています。
活動を終了し、終了時の集合写真を送っていただくと、どの参加者も素敵な笑顔をされています。ボランティア活動で良いことをしたという満足感からくる笑顔はいいものです。
現在も、我国の子宮頸がん検診受診率は20%台で依然と低迷しており、これかもこの活動の継続していくつもりですが、さらに受診しやすい検診体制の改善に関る必要性も感じております。
細 胞検査士会では街頭活動のほかに、市民フォーラムの開催、一般市民や中学生、高校生を対象とした講演会への講師派遣も行っています。仕事だけでは一般の 方々との接点が無いので、このようなボランティア活動を通して接点をつくることにより、自らの仕事の重要性を再認識できることも大きな成果だと思っていま す。
ユーロ危機のニュースを見て
2011年11月15日 (火)
医療ジャーナリストの福原麻希です。
チーム医療やメディカルスタッフについて取材するようになり、よかったことは、いろいろな職種の視点が加わりました。その結果、医療や病院が全体的に俯瞰から見えるようになりました。
さらに、チーム医療推進協議会(以下、協議会とする)の発足を提案したので、そのまま運営にも入りました。今度は、思いがけず世話人チームで「チー ム医療」を擬似体験し、チーム作りを意識するようになりました。それとともに、病院経営や組織論にも目を向けているところです。
協議会には、各職種の職能団体が集まっていますが、私はそれを「EUのようなもの」だと思っています。EUは同じ地続きのヨーロッパ大陸に集まる 国々ですが、それぞれの国には独自の言語、教育、文化があります。病院も同じ場所で働いていますが、それぞれの職種ごとに独自の言葉、教育、文化が養われ てきました。
スペインに留学していたとき、いろいろな国の人がテーブルに集まると、時々激しい議論になったものです。病院の各職種間で考えや意見が合わないこと があるのは、当たり前のことでしょう。普段から、お互いに思っていることを、できるだけ言葉に出していかなければ、到底分かりあえないと思います。
今回のユーロ危機の成り行きを見ていると、ギリシャなどの救済を目的に、EUの27の加盟国は合同で基金(欧州金融安定基金)を設立しました。困っ た国を、みんなで支えようというしくみです。好むと好まざるに関わらず、EU各国は同じグループになりました。17年間の歴史の中では、いろいろな各国間 の意見の対立もあったでしょう。でも、それらを経ても助け合う。「グループがチームに進化している」と感じます。
チーム医療推進協議会は、まだまだ、全参加団体の足並みが揃わないことがあります。でも、どこかの職種が困ったら、ぜひチームとして助け合う、そういう組織になってほしいと切望します。
さらに最近、メンバーの中から、「協議会でこんなことをしたい」「あんなことをしてみたい」というフレーズが出てくるようになりました。「夢」や「思い」が増えています。そんな一人ひとりの夢や思いを実現する組織として育っていけるよう、病院外の立場からサポートします。
最後に私の夢は、「電車の中に、各職種が生き生きと働く姿の広告を並べて、1つの車両をチーム医療にすること」です。その広告を見て、患者や国民は 各職種を知ることができるからです。とても高額な資金が必要ですが……。でも、もしかしたら、優秀でモチベーションの高い元気な後進が、その職種を目指す きっかけになるかもしれませんね。もう1つの夢は「チーム医療」か「メディカルスタッフ」の言葉が流行語大賞の候補になることです。ぜひ来年こそ!
東日本大震災心理支援センター電話相談のご案内
2011年9月 6日 (火)
日本臨床心理士会の津川律子です。
私どもは、2011年3月23日 より関係団体と共に「東日本大震災心理支援センター」を開設し、さまざまな心理支援活動を行っております。全国どこにいても利用できるものとして、フリー ダイヤルによる電話相談(東日本大震災心の相談電話)があります。臨床心理士が相談を受けております。周囲にお勧めくださり、積極的にご利用くだされば幸 いです。
【東日本大震災心の相談電話】 フリーダイヤル 0120-719-789
○ 被災者の方々の、被災に伴う精神的な悩み・問題に関すること
○ 支援活動に関係する方々の精神的なサポートに関すること
○ PТSDに関する啓発的支援
○ 原発損壊に伴う各種不安に対する啓発的支援
【実施曜日と時間】月曜、火曜、木曜、金曜 夜7時から9時まで。
その他、さまざまな支援活動を続けております。
詳しくは、東日本大震災心理支援センターHP(http://www.ajcp.info/jpsc/)
もしくは、一般社団法人日本臨床心理士会のHP(http://www.jsccp.jp/)をご覧ください。
日本初!当事者の視点でがんチーム医療を啓発
~がん治療医も歯科医も、患者を支えるがん医療チームの一員です。~
2011年8月30日 (火)
山梨まんまくらぶの若尾直子です。
若尾が代表を務める「がんフォーラム山梨」からの報告です。
先にお知らせした「第5回山梨がんフォーラム~がんとお口はどんな関係?2011~」の初日を、8月28日(日)に無事終えました。
(会場:富士河口湖町勝山ふれあいセンターさくやホール)
今回のフォーラムは、情報の均てん化を意識し、山梨県内4か所での開催を企画していますが、、その初日を夏休み最後の日曜日に河口湖町で迎えたわけです。心配された天気もまずますでほっとしました(^_-)
フォーラムでは歯科医の基調講演の後、がん治療医、歯科衛生士、看護師とそれぞれの立場で講演していただき、続けてがん治療中に口腔ケアトラブルに遭遇した当事者の声をもとに先のメディカルスタッフを交えてのパネルディスカッションを行いました。
治癒率が上がり、慢性疾患に近い状況になっているがん医療は、様々なメディカルスタッフのかかわりによって生活の質が格段に向上します。今回の患 者の声では治療中の口内炎等による口腔トラブルに関するケアの方法や味覚障害で食の楽しみがなくなったことに対する不満感、咀嚼・嚥下障害、コミュニケー ション障害等お口に関わる様々な悩みがあげられ、「あの時、歯科衛生士と出会っていたら・・・」「今後、嚥下障害で辛かったらだれに相談すればいいの か?」などの意見交換が行われました。そして、がん治療をチームで行うとき、それぞれの職種間での連携が欠かせないが、外来にシフトしてるがん治療におい ては、がん診療連携拠点病院と町の歯医者さんとの連携が具体的に実現することが必要だとまとめました。
最後に甲府歯科医師会の理事から「がんフォーラム山梨」で作成したチーム医療の啓発ポスター「がん治療医も歯科医師も、患者を支えるがん医療チームの一員です。」を紹介して締めくくりました。患者の視点で作成されたこのポスターは、山梨県内の全歯科医師の窓口に展示される予定です。 たぶん、日本初の試みだと思われます!(^^)!
ポスターについてのお問い合わせ
がんフォーラム山梨 若尾直子
「第5回山梨がんフォーラム」開催
2011年8月18日 (木)
山梨まんまくらぶの若尾直子です。
若尾が代表を務めている「がんフォーラム山梨」は、本年で5回目の「山梨がんフォーラム」を開催します。今年のテーマは「がんとお口の関係」です。
がんの治療中に口腔トラブルに悩まされた当事者の問題提起がきっかけです。
情報の均てん化をめざし、山梨県内4か所を回ります。
フォーラムの概要は、歯科医による基調講演「口から始めるがん治療」で始まり、続けて当事者を交えたパネルディスカッションに進みます。
ここではがん治療医による講演や歯科衛生士、看護師による情報提供があり、それを受けてのディスカッションになります。
当事者として乳がん、舌癌、縦隔原発性腫瘍の体験者が口腔トラブルで困ったことを報告しながら意見交換を進める予定です。
このフォーラムをきっかけとして、がん治療と歯科治療の連携が進み、外来にシフトしているがん患者のQOLが格段に向上することを願います。
http://www7b.biglobe.ne.jp/~yamanashi-mamma/eventosirase.html
また、がん治療はチームで行っていることも知ってほしいと思っています。外科医、内科医、放射線医、口腔歯科医、看護師、薬剤師、歯科衛生士、そして当事者。このフォーラムへの協力者だけでもチーム医療について考えさせられます。
フォーラムの最後に「口から始めるがん治療」に関する啓発用のポスターを発表します。このポスターではがん治療はチームで行っていることも表現されています。
町の歯医者さんの待合に提示していただき啓発を進めたいと思っています。
その初回が8月28日となりました。場所は河口湖町にある勝山ふれあいセンターさくやホールです。
http://www.fujigoko.tv/tdet.cgi?code=5695
28日の河口湖を皮切りに、9月11日、9月25日、10月16日と続きます。各会場については右のチラシをご参照ください。
パネルディスカッションでの講演は血液内科医、放射線治療医、化学療法専門医、拠点病院連携協議会の関係医が情報提供をリレーします。 全会場に参加してくだされば完璧です!!
各会場とも13:00開場ですので、観光を兼ねて山梨にお越しください。
参加無料
※ このブログを見て参加されたことをお伝えいただいた方には、28日に発表するポスターを差し上げます。
がんを知り、がんと向き合い、がんに負けない山梨を目指し、患者もチームの一員として活動を進めています。
小児1型DMサマーキャンプに行ってきました
2011年8月16日 (火)
日本栄養士会の西村です
先週は小児1型DMサマーキャンプに行ってきました。
このキャンプは1型糖尿病を発症した子供達が健全に成長するために、
覚えなくてはならないことを多職種で教育する医療キャンプです。但しこのキャンプはそれだけではなく、日本では1万人に1人という数少ない病気のた め、日常生活の中で同じ病気を持つ仲間と出会うことは殆ど無いので、1年に1度同じ病気を持つ仲間と再会して、心おきなく普段の悩みを打ち明けたり、この 病気を持つ先輩達や医療スタッフから、たくさんのアドバイスをしてもらえるとても大切なイベントです。
私達のキャンプは、49年前に丸山博先生が日本で初めて1型糖尿病の子供達を対象に、千葉県で行われたサマーキャンプを継承するキャンプです。丸山先生もご健在で今年のキャンプもバックアップしていただいています。
「つぼみの会」http://www.geocities.co.jp/Beautycare-Venus/9872/index.html
但し、今年は震災による原発の影響で毎年行っている福島県の霊山トレーニングセンターへは、行けませんでした。そのため毎年5泊6日で行っていたキャンプも、埼玉県で1泊2日のミニキャンプになってしまいました。
それでも子供達は毎年1回の夏の大イベントとして楽しみにしてくれていたので、1年ぶりの再会を楽しんでくれていました。バスの中から大騒ぎで到着後にはミニ運動会で楽しみ夜はキャンプファイヤーも行いました。
その後は子供達と医師・看護師・栄養士・OG・OB生活ボランティアみんなで夜更けまで、語り続けました。震災に対する想いや将来の夢などたくさん話すことができ、今年もなんとかひと夏の思い出ができました。
次の日は調理実習で医療スタッフも全員参加で3班に分かれ、飯盒炊爨をしてカレーを作りました。栄養士と栄養学生がリードしながら、医師や看護師も一緒に子供達の手伝いをして、みんなで美味しく食べました。
帰りのバスはみんな爆睡状態でしたが、国立駅で解散の時には再開を約束していました。
今年はミニキャンプでしたが、医師はインスリンの調整、看護師は血糖測定の補助、栄養士は食事摂取の調整、生活スタッフは子供達の面倒を見て、みんなで協力してキャンプを成功することができました。
キャンプはいつもチーム医療です。キャンプ当日は勿論ですが、何度もチームでミーティングを繰り返して、子供たちが安全で楽しめるキャンプ作りをし ています。来年は50周年です。子供達にたくさんの思い出ができるように、チームのみんなと協力して素敵なキャンプを作りたいと思っています。
2012年1月11日 (水)
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